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March 10, 2005

アイリッシュダンスの歴史

今日はアイリッシュダンスの歴史講座の日で、昨日はその関係本について200ページ読破して、かなり疲れた。
200ページ、最初は無理かと思ったが、途中からケーリーダンスの動き方などがあり、救われた感じ。

まだまだ卒業まで歴史の授業は続いていくが、現状の自分の意見では、ここ最近10数年の競技ステップダンスの変化は特に目覚しく、現在出版されている本で、的を得ている本は僕の見たところまだ見つからない。
競技、ショーダンスの世界に係わった者の意見としては、多くは情報が古すぎるか、欠落しているか、偏っている。
今後、競技ステップダンスに造詣のある若手研究者の新書に期待したい。

ただ、本を書くとなると非常に難しいのだろうと推測できる面もある。深く競技に係わっていればいるほど、政治的な背景で、意見が公に発表できないケースもあるだろうし、驚くべきことに競技ステップダンスは、教えている先生ですら、古い様式を知らないことが多い。
ましてや、競技に係わっている若いダンサーは言わずもがなである。

これら教師やダンサーの意見をまとめてみれば、如何に競技ステップダンスが、新しいジャンルであるかがよくわかるし、故にそれが独自に新しい歴史を刻んで行こうとしていることがわかる。
良くも悪くも時流に乗っている印象だ。
良いという面では、純粋に現在あるものを、決まった様式美を基に進化させやすいこと、
悪いという面では、昔のダンス様式を切り離していることである。
であるから、現実的に昔ながらの様式で綺麗にトラディショナルソロセットダンスを踊るダンサーが(殆どいないが)、競技では全く評価されないということも時として起きる。
僕自身の経験としては、競技でトラディショナルセットダンスというカテゴリーであるにもかかわらず、トラディショナルであるべき速度から酷くかけ離れたスピードで音楽を演奏され、非常に苦痛だったのを覚えている。
これは残念なことの一つである。
そしてよく言われるのが、音楽とかけ離れたという表現だが、確かに、競技ステップダンスで、特にソロセットダンスのホーンパイプにおいて眠たくなるような速度で音楽演奏され、そこにステップをひたすら詰め込む様式は僕も好きではない。
こういうところを見ると、競技ステップダンスに否定的な伝統的ステップダンサーが多いのも理解できる。

ダンスの価値観が今までとゴロっと変わってしまうような変化はあるのか?
例えば、バレエの歴史を世紀単位で振り返ってみれば、時として
それは政変だったり、文明、テクノロジーの発達だったり、いろいろな要因によって急変する場所がある。
宮廷バレエと、今日劇場で上演されているバレエを観て、違いがないとは誰も言えないだろう。
アイリッシュダンスも断続的な変化要因が多々あり、現在に至っている。
バレエと違うところをあげるとすれば、それが生き残ってるかどうかの違いである。今となっては宮廷バレエの様式に特化している団体はおそらくないと思うのだが、(もしあったら教えてください。)アイリッシュダンスではそれが一つのジャンルとして生き残っている。(時には強引に消されそうになったりもしたが。)もちろん、ダンスの誕生の経緯も違うから、バレエとは同じには括れないし、そのジャンルは消えないで残っていって欲しいと思う。

面白いのは、新しい競技ステップダンスだけでなく、同様にシャンノースダンスもここに来て変化がでてきている。
シャンノースとは古いという意味のゲール語なのだが、その古い様式に更に他で発展した何かを取り入れようとしている。
これは、いわゆるセットダンス(Square8)やケーリーダンス、オールドステップダンスでは見られない現象だ。
おそらくシャンノースダンスは、ある程度の様式(即興性、低い重心、タイトすぎない足の運び、狭い動作範囲、etc)を残しつつ、今後どんどんタップダンス等で発展された技術が融合されていくだろう。

今後どうなっていくかは、100年後に歴史が証明してくれる。

投稿者 Taka : March 10, 2005 07:17 AM

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